ノイズフィギュア(NF)とは?多段接続時の注意点【RF】

【RF】偏波って何?軸比と交差偏波識別度の関係 RF
【RF】偏波って何?軸比と交差偏波識別度の関係


ノイズフィギュア(Noise Figure)は、電子回路や通信システムにおいて信号品質を評価するための重要な指標です。この記事では、ノイズフィギュアの基本概念から、なぜそれが重要なのか、そしてシステム(多段接続時)のノイズフィギュアの計算方法について詳しく説明します。

【この記事で分かること】

  • ノイズフィギュア(NF)とは?
  • NFの物理的な意味
  • NFの計算(多段接続時)

【ノイズフィギュア(NF)とは?】

雑音指数(ざつおんしすう、Noise Figure)とは、アンプ等の増幅器における、信号の入出力前後でのS/Nの劣化量を指します。Noise Figureの頭文字をとってNFと呼びます。

NFは以下の式で表されます。
$$ NF(dB)=SNR_{in}-SNR_{out} (dB)$$

【NFの物理的な意味】

NFは、雑音がどれくらい信号に加えられるかという指標です。そのため、NFが0dBに近いと、SNRが劣化せずに伝わるため、理想的なアンプになります。
また、便宜的にNFが用いられますが、物理的にはアンプの熱雑音がノイズとして加わっている現象になります。入力のノイズと分けて書くと、実数で以下のように表されます。
$$ F=1+(F-1)  (NF=10*log(F))$$
第1項は、入力の熱雑音、第2項はアンプの熱雑音の成分を示します。当たり前のような式ですが、この式が重要です。
つまり、物理的には、F-1という指標が大事です。

【NFの計算(多段接続時)】

多段接続時も同様に、各アンプでの熱雑音が加わることを考えます。例として、アンプを2段接続したときの熱雑音を考えます。一段目の利得をg1、NF(実数)をF1、二段目の利得をg2、NF(実数)をF2、とします。
この時、二段目の出力には、二段目のn0*(F2-1)の雑音が加わったものが加わります。そのため、以下のような式になります。

$$ n_2=g_2*g_1*n_0*(1+(F_1-1)+(F_2-1)/g_1)$$

このカッコで括った部分が、システム全体のNF(実数)になります。
ですので、NF(dB)にすると、以下のようになります。
$$NF_{total}=10*log(1+(F_1-1)+(F_2-1)/g_1)$$

3段接続以降も同様に考えることができます。
この式で重要なことは、二段目以降のNFは、前段の利得でシステム全体への影響が小さくなる点です。例えば、一段目の利得を20dBとすると、1/100の効きになることになります。
ほとんど、一段目のアンプの性能でNFが決まることになるため、前段のアンプの選定が重要になります。

【まとめ】

  • 雑音指数(NF)とは、信号の入出力前後でのS/Nの劣化量のことを指す。
  • アンプにより重畳されるノイズ量は、n0*(F-1)。
  • 多段接続時は、1段目のアンプの性能によってほとんど性能が決まる。

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